共同経営のころ

 私が世話になった塾の大先輩に 米山先生(数学の先生)という方がいます。

米山先生は二宮中に勤務したこともありますのでご年配の方はご存知かもしれません。

 

 都内で、米山先生を塾長にして塾を発足したことがあります。いわゆる共同経営です。出資者がいて、米山先生は塾長。私たちは兵隊?でした。

米山先生は、塾の説明会に来てくれたご父母の前で言いました。

塾の目的は 生徒を 塾に来なくてもいいような生徒に育てることです

<他人に頼ることなく自分で学習できる人間になる。そのように子どもを育てるのが「教育」である。>という持論を伝えたかったのだと思います。

生徒をたくさん集めることが企業塾の仕事ですが、説明会で発した発言は、ある意味では素晴らしい宣伝になりました。

米山先生は、いわゆる公立中学校の先生というタイプで、正統派の教育者。塾の先生の持つ泥臭さはありませんでした。だから現場では我々若手教師が生徒の面倒を見ました。休日は無し、家族より塾(仕事)を優先、正月や夏休みは生徒を塾に泊まり込ませて睡眠時間以外は全て勉強というハードなことを実行しました。生徒数もドバっと増え、業界では少し評判になりました。

 

相棒のK先生は生徒にこんな質問をしました。

「お前にとって、一番大切なことは何だ?」

『成績を上げることです』

「それは2番目だよ。一番目は、なんだかわかるか?」

 

・・『わかりません。』

「少し考えろ。」

『・・・・わかりません』

「一番大切なことは・・、お前の友達を(塾に)連れてくることだよ。・・わかるか?」

『わかります』

塾講師がこう言えるのは自分の仕事に自信を持っているからです。

確かに、我々は、一生懸命でしたし近隣の大手塾には負けない自信がありました。

私には生まれたばかりの次男もいましたが、正月も塾に宿泊して正月特訓。家族より仕事だったのです。

生徒数が増えたので教室も増やしました。

 

実は その塾も無くなってしまいました。

共同経営って とても難しいことなんですね。みんな一生懸命だったんだけど 

 何となく意見がかみ合わなくなったり、・・・・・・。  

 

共同経営の難しさを痛感させられました。